2019-09-05

文系でもわかる六甲山の地学。花崗岩のはなし。

六甲山といえば、独特の岩場がありますよね。
たとえば、こんな風景。いいっすよね。登山欲が湧いてきますよね。

六甲山の風吹岩

でも、どうしてこんな景色ができるのか? 気になりませんか。
ネットで検索してみると、「六甲山は花崗岩でできていて、それがマサ化した」と、さらっと教えてくれます。

理科が苦手な私にはチンプンカンプンです。「マサ化」ってなんやねん。「かこうがん」って火口岩? 火口にある岩でしょ。本気でそう思っていました。理科を勉強しないとこうなります・・・
では、そもそも花崗岩って何なんでしょうか。

花崗岩はマグマだった。

花崗岩は、ざっくり言ってしまえば、マグマがゆっくり冷えて、ゆっくり上昇してできたものです。

マグマは、岩石などが溶けて液体状になったものですよね。ハワイの火山などの噴火映像でよく見るやつ。でも、 花崗岩になるやつは、 それとは違うマグマです。ハワイのマグマがとろとろのスムージーなら、花崗岩になるマグマはネバ、ドテっとしたソフトキャンディ?

マグマといえば、こんなイメージしかなかったんのですが、場所や成り立ちによっていろんな種類があるんですね。

ハワイの火山。こちらはとろとろ系

花崗岩になるマグマは、まんまのネーミングで「花崗岩質マグマ」と呼ばれています。「キャンディマグマ」はダメだったんすかね。
ところで、花崗岩質マグマはどこで、どうやってできたんでしょうか。

花崗岩になるマグマは、どこからやってきた?

花崗岩質マグマの誕生については、
いくつか議論があるみたいですが、プレートが関係しています。

プレートといえば、大陸が移動しているという衝撃の事実を知るときにセットでで出てくるやつです。地球の表面は、プレートと呼ばれる複数の岩盤層で覆われていて、それが動いているという、未だに信じられないのですが・・・

日本の地下深くでは、一方のプレートが一方のプレートに沈み込んでいるという、これまた信じられなことが起こっていて、そのときに岩盤が溶けて花崗岩質マグマが生れています。

実際はもっと複雑なメカニズムなのですが、文系の私はこれ以上頭が追いつかないので、ものすごく端折った説明になっています。ご容赦ください。
でも、そんな私でも腑に落ちないことがありました。それは何かと言いますと・・・

沈み込むときにプレート同士がぶつかり、その時に岩盤が溶けてマグマになる

花崗岩質マグマは、上へと進攻していく。

私が納得いかなかったことは、地下で起こるプレートの沈み込みで生まれたマグマが、なんで地上にあって六甲山になっとんねんと、ということです。やっぱ噴火したんちゃうかと。当然、私の考えがあっているわけがなく、違いました。

花崗岩質マグマは、非常に粘り気が強いので、地層に割れ目などがあっても、そこを通っていくことができません。とろとろのマグマなら、割れ目から地上をめざし、噴火できるんですけど。

では、どうして地上をめざせるかというと、密度が小さいから。
密度? 辞書を調べると「単位体積あたりの質量」とあります。
つまり密度が小さいと、軽いんです。

花崗岩質マグマは、他の岩盤と比べて軽いので、上へ上へと行こうとします。
しかも、熱いマグマのなので、他の岩盤を溶かして取り込みながら、上へ上へと進攻していきます。それが超ゆっくりと行われます。
水と油をかき混ぜて放っておいたら、油が上になっていますよね。
それが気が遠くなるような時間をかけて行われている感じでしょうか。

そうやって地上近くにやってきた花崗岩が、先ほどのプレートが沈み込む力の影響によって東西から圧力が加わり、盛り上がったのが「六甲山」なのです。

花崗岩はうつくしい。

いよいよ「マサ化」なのですが、その前に、

マグマは、いろんな鉱物が溶けて液体状になっています。そのマグマが冷えると、溶けていた鉱物が結晶となってあらわれます。
花崗岩質マグマ は量が多く、冷えるのに時間がかかるので、その結晶化がじっくり行われ、ひとつの結晶が大きくなります。さらに、上昇していくなかで他の岩盤の鉱物を溶かし込んでいくので多様な結晶があらわれます。

だから、こんな風に美しい模様になるんですね。この美しさが「マサ化」と大きく関係しています。

結晶がつくる模様。花崗岩の主な鉱物の結晶は、石英、長石、雲母、角閃石など  

ついにマサ化の時が来た。

花崗岩は、ふだんは頑丈な岩石なのですが、結晶が大きく育ち、また種類が多いため、 外部から力が加わると割れやすいという性質があります。つまり、風化しやすいんです。美しいものは壊れやすいというわけです。

近いイメージで思いついたのが、発砲スチール。発砲スチールはひと粒が大きいので、力を加えるとポロポロと崩れますよね。花崗岩も同じようにひとつひとつの結晶が大きいので、ポロっとなりやい。

発砲スチールでマサ化をイメージ。割れたり崩れたりして細かくなっていく

そのポロっとなったのが、さらに細かくなり砂状になっていくのが「マサ化」。
漢字にすると「真砂化」です。

ようやく六甲山の景色のヒミツに辿り着きました。マサ化によって花崗岩が割れたり崩れたりすることで、独特の風景が生れるているわけです。

ハイカー憧れの花崗岩

実は、北アルプスにも花崗岩が多く分布しています。ハイカーが憧れる独自の山景は同じようなメカニズムで生まれているんですね。六甲山と北アルプス、 ハイカーの心を惹きつける山々には「花崗岩」という共通項があったんですね。

北アルプス

(参考文献)

  • 『三つの石で地球がわかる』藤岡換太郎著 講談社ブルーバックス 2017
  • 『山はどうしてできるのか』 藤岡換太郎著 講談社ブルーバックス2012
  • 『凹凸で楽しむ 阪神・淡路島「高低差」地形散歩』新之介著 洋泉社2019

六甲の花崗岩は、大阪城石垣でも多く使われています

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