2019-09-26

大阪城石垣の採石場跡をめぐる【歴史ハイキング】

六甲をハイキングしていると、でっかい石が登山道のわきにあったり、コロコロと斜面に転がっていたり、不思議な景色に出会うことはありませんか。

実は、芦屋や西宮の山側である「東六甲」は、大阪城石垣の採石場としてたくさんの石材が切り出された場所でした。その規模は、石垣全体の約1/3が六甲の石だったというほど大規模なものだったと考えられています。詳しくはコチラの記事でも紹介しています。

今回は、その採石跡に触れることができるオススメの場所をご紹介!ハイキングをかねて歴史&石めぐりをしてきたのでレポートします!

ちなみに大阪城を築いたのは「豊臣」ではなく「徳川」。豊臣秀吉によって築かれた大阪城は、大阪夏の陣のときに徳川の手によって落城。徳川幕府は、その跡地に盛り土し、新たな大阪城を築きました。その時につくられた石垣が現在、私たちが目にしているものです。東六甲の採石場も徳川時代のものです。

約400年前の採石場はどこ?

オススメの見学スポットは、西宮市にある甲山森林公園内の「仏性ヶ原」と呼ばれる場所です。複数ある採石場跡のうち「甲山刻印群G地区」と呼ばれており、 2018年には国の史跡に指定されました。

この仏性ヶ原には、軽登山道が整備されていて、ハイキングをしながら採石跡をめぐることができます!

まずは阪急仁川駅から甲山森林公園へアクセス

ハイキングのスタート地点は、阪急今津線「仁川駅」

改札を出てからは、仁川に沿って西に進みます。この川沿いの景色、けっこう好きです。

川沿いの道を突き当りまで進み、橋を渡ると「地すべり資料館」があります。
「地すべり資料館」からさらに進むと、「甲山森林公園」の東出口に。

公園マップの印をつけたところが「仏性ヶ原」です。軽登山を楽しめます。

では、採石跡をめぐっていきましょう!

甲山森林公園に入るとすぐに橋があり、ここを渡ると徳川大阪城採石場めぐりがスタートします。案内板もありますよ。


最初に出会えるのが、デカいおにぎり型の岩。縁にギザギザの跡が残っています。間近で見ると、迫力があります。

こんな不思議な光景にも出会いました。石の上から木が生えている?どうなっているんだ!と気になりました。

展望スポットには、大きな石がごろごろ点在しています。これも採石されたあとの残石でしょうか。石垣に使われなかったものは「残念石」なんて呼ばれているみたいです。

展望台からの眺め。きれいな形していませんか。高くはないけど、いい感じの甲山。

さらに進んでいくと、キリトリ線みたいな跡が残っている岩と遭遇。あきらかに人工的につけられた跡です。

再びキリトリ線のある岩に出会いました。きれいに跡が残っています。この穴は「矢穴」と呼ばれるもので、石を割るために入れられました。

どうやって石を割っていたかというと、
まずノミで矢穴を彫ります。次に矢穴にクサビ(矢と呼ばれていました)を打ち込みます。すると、ぱかっと二つに割れるのです。
写真の石は、 矢穴を彫ったけど割れなかった?形がイマイチだった?何かの理由で割らなかったのでしょうか……

登山道のわきにもコロコロといっぱい石が転がっています。いつもなら見向きもしない光景なのですが、これも、ただの石じゃないのかもと考えると、楽しくなります。

石積み跡もありました。これも採石場と関係しているのでしょうか。

腰をかけるのにちょうどいい石にも、矢穴の跡。石垣にはなれなかったけど、ハイカーの休み場として活躍しています。

仏性ヶ原の採石場は、 肥前佐賀藩の鍋島家が採石を行っていたと考えられています。 鍋島家を示す刻印跡が残っている石もあるのですが、今回は見つけることができず……。悔しいので、刻印跡を見学できる場所をめざし、ハイキングを続けます!

甲山森林公園から甲山登山、さらに北山公園へ

仏性ヶ原を抜け、甲山森林公園でひと息。鳥たちも羽休めをしていました。

この後、甲山の山頂をめざします。こんなルートで進みました。甲山森林公園を散策して、甲山自然の家から登山道に入り、山頂へ。

登山口から15分ぐらいで山頂です。気軽に登れるのがいいですね。山頂はのどかな感じ。空を眺めながら、ぼーっとしたくなります。

15分ぐらいほどで下山し、北山貯水池へ。貯水池をぐるっとまわり、北山公園の回遊園路に入り、 南に下っていきました。

こちらが北山公園の回遊園路につながる入り口。

北山公園緑化植物園の入り口まで来ると、道路(大沢西宮線)に出ます。その道路を下り、越木岩神社の案内板が見えたら右折、いよいよ採石場めぐりの第二スポットです。

巨岩に残された刻印を確かめよう

少し進むと「越木岩神社」に到着。こちらで刻印石を見学できます。刻印とは大名家や産地を示すために刻まれたものです。

境内に入ると早速、刻印石を見つけました。こちらの刻印は「肥前佐賀藩の鍋島家」のものです。手でなぞってみました。

その隣にも刻印石。こちらは「備中(岡山県西部)池田藩」です。

矢穴の跡も残っていますよ。

さらに奥に進むと、御神体である「 甑(こしき) 岩」があります。ものすごい迫力です。こちらにも採石の痕跡があります。左下あたりに見てください。

拡大すると、こんな感じ。「備中(岡山県西部)池田藩 」の刻印です。

昔から「甑(こしき) 岩」は地元の人たちにとって神さまの岩として大切にされてていました。藩の役人がそんなことに構わず石を切る命令をしたところ、祟りがあり、石切を残念したという逸話があります。

刻印石も見学でき、満足。 越木岩神社前の道路を南に下り、ゴールの阪急苦楽園口駅に到着。気軽にハイキングを楽しみながら、歴史を感じることができました。

ハイキングルート&コースタイム

今回は、ほとんど休憩せず行動しました。行動時間は半日弱ぐらい。甲山森林公園でゆっくり過ごして、1日使ってハイキングするのもオススメです。

(9:10) 阪急仁川駅  
(9:45) 甲山森林公園東出口(仏性ヶ原) 
(10:35) 甲山森林公園 
(11:15~11:30)  甲山登山口~山頂
(12:00) 北山貯水池 
(12:40) 越木磐神社 
(13:15) 阪急苦楽園口駅 

六甲の石は、丈夫で加工しやすい花崗岩だから石垣に利用されました。
花崗岩のはなしはコチラ

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