2019-09-30

【神戸酒巡りシリーズ】灘で唯一、みりんを製造している、高嶋酒類食品を訪ねてみた

皆さん、こんにちは。ろこぐるライターの山下です。
皆さん、「みりん」を飲んだことはありますか?
先日、酒好きの友人から「みりんって飲むと美味しいんだよ」と、聞かされ大変驚きました。よくよく話しを聞くと、今でこそ「みりん」は調味料として普及していますが、昔は高級酒として愛飲されていたそう。
江戸時代には「柳かげ」というブレンド酒に使われ、「青菜」という落語にも登場しています。また、お正月に飲む「お屠蘇」も、本来は「みりん」に薬草などを加えて作るそうです。
ただ、現在では「本みりん」の中でも工業的製法で作ったものや、酒税がかからない「発酵調味料」や「みりん風調味料」などが主流となっているので、なかなか飲んで美味しい「みりん」には出会えないそう。

現在流通している「みりん」の種類。

美味しいみりん、是非とも飲んでみたいですよね?
そこで今回は 、伝統的な製法で「本みりん」を造り続けている、 高嶋酒類食品にお伺いします!

灘で唯一「本みりん」を製造する、高嶋酒類食品 へ!

高嶋酒類食品は、「みりん」や「甲南漬」という奈良漬を製造しています。
もともとは「酒かす」の仲買をしていましたが、明治3年「酒かす」を使って「焼酎」の製造を開始しました。
そして、 明治29年 「焼酎」を原料に、 「本みりん」の製造を始めたそうです。
その後明治37年、「本みりん」「みりん粕」を使って 奈良漬を作るようになり、「甲南漬」と名付けられました。

「甲南漬」資料館 へ

今回お話を伺いに、お邪魔したのは「甲南漬」資料館です。この建物は、昭和5年、当時の社長の自宅として建てられました。
海外の建築技術を取り入れたモダンな造りの建物で、現在は国の「登録有形文化財建造物」に指定されています

館内には、御影郷・魚崎郷 の街並みを復元した模型が。
平成7年の阪神淡路大震災により、古くからの蔵はほとんどが倒壊してしまったそうです。 
高嶋酒類食品では、唯一倒壊しなかったのがこの資料館でした。

看板は、隣の「甲南漬本店」で、見ることができます

資料館では、「本みりん」や「甲南漬」の作り方を学ぶことができます。
「甲南漬」は、塩漬けから始まり、下漬け、中漬け、上漬け、本漬け……1年以上の歳月をかけ、じっくりと漬けていきます。
あの、芳醇な味わいになるまでには、相当な手間暇がかかるんですね。

甲南漬のお品書きや、蓑も飾られていました。

漬け物樽

みりんを詰める機械でしょうか……?

かき氷機も! 

甲南漬の作り方だけではなく、当時の暮らしも知ることができます。

「甲南漬」と「みりん」を、いざ実食!

甲南漬は、こちらの「甲南漬本店」で試食や購入をすることができます。

樽に入った甲南漬。 酒粕と麹とみりんの甘い香りが漂っています。
酒処「灘」の香味豊かな酒粕と、 本みりんを贅沢に使っています。

「みりん」と「甲南漬」「ツブ貝の粕漬」「刻み漬」をいただきました。「甲南漬」は、口に入れた瞬間、芳醇な香りがあふれて 、お酒の旨いところを凝縮したような味わいが、グッ!と、押し寄せてきます。奈良漬って甘くて少ししつこい印象があったんですが、「甲南漬」は、しつこさがないので、味わいは濃いですがとっても食べやすいです。
奥の「刻み漬」は、 甲南漬を刻み、酒粕に水飴を加えたもの。甘くて食べやすく、小さい子にも人気なのだとか。


そして、左手前が、私の飲んでみたかった「本みりん」です。
たしかに、ものすごく美味しい! 冷やし飴を、サラッと上品にしたような、透き通る味わいが印象的で、江戸時代の人が涼を求めて飲んでいたのも納得でした。

昼食は、 「甲南漬」と「かまどご飯」


この甲南漬、ご飯と一緒に食べたいなぁ、と思った皆さん! 最高の漬物には、最高のごはんを! と、いうことで……。

かまど炊き!!
お食事「 平介茶屋 」では、かまどで炊いた美味しいご飯を食べることができるんです。

広々とした和室から、日本庭園を眺めて、お食事を待ちます……

こちらが「 平介 定食」
かまどで炊きたてのふっくらご飯、後ろのおひつにもたっぷり入っているのが嬉しいです。
甲南漬をはじめ、様々なお漬物が少しづつ味わえるのも嬉しいですよね。
おかずは月替わりになっていて、今月は 『平介シュウマイ』 でした。
シュウマイも、魚の粕漬も、ご飯に合う優しい味付けです。

お庭をのんびり眺めながら、美味しいご飯をゆっくり楽しめました。

灘で唯一、みりんを製造する「高嶋酒類食品」。
そこには、灘の酒造文化と密接に紐づいた、深い歴史がありました。
11月上旬に「甲南漬創業祭」を予定しているそう。 イベント情報もチェックしてみてくださいね。

甲南漬本舗本店・アクセス情報


http://www.konanzuke.co.jp/
住所:  〒658-0044 兵庫県神戸市東灘区御影塚町4丁目4−8
電話:  078-841-1821
営業時間: 9:30~18:30

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