2019-10-09

【神戸酒巡りシリーズ】神戸酒心館で酒造りの今と昔を学ぶ

好きな言葉は「乾杯!」 こんにちは。 ろこぐるライターの山下です。少し肌寒くなってきて、秋らしくなってきましたね。私は、先日七輪を購入し、秋刀魚を焼こうか、キノコを焼こうか……と、楽しみにしています。

さて、前回は「江戸を制した灘の下り酒」というタイトルで、灘の日本酒の歴史を紹介しました。
そこで今回は、灘の「酒蔵見学」に行きたいと思います!

灘の御影郷「神戸酒心館」で酒蔵見学

今日は、灘の御影郷に位置する「神戸酒心館」に、やってきました!
こちらの蔵では、1751年の創業以来13代にわたって、「福寿」という日本酒を造り続けています。
今回は、一般の方も気軽に申し込みできる酒蔵見学のコースがあるということで、今日はそちらを体験してみることにしました。

門に飾ってある杉玉。今年も新酒ができましたという合図です。

さて、門をくぐると、まず目に飛び込むのが、お酒の仕込みに使う「大桶」。この「大桶」、6キロリットルものお酒が入るそう。なんと、飲み干すには87年かかるらしいですよ。

敷地内には、美しい日本庭園が広がっています。
コチラの「神戸酒心館」では、1日1組限定で結婚式もできるそう。伝統的な酒蔵で、結婚式を挙げるのも素敵ですね。

いざ、酒蔵見学へ!

入り口には世界各国の言語に翻訳したパンフレットがびっしり並んでいました。


まずは ビデオルームで、日本酒や灘の歴史、福寿についての解説を聞きます。
ビデオでは、六甲山の宮水や、酒米の山田錦などの材料についても、丁寧に解説されています。

続いては、 蔵の中に案内していただき、実際に日本酒を造るところを見学します。
まずは、窯場に案内していただきました。写真に写っているのは 甑(こしき) と呼ばれる、大きな蒸し器。磨いたあとのお米をこの機械に入れて蒸していきます。

巨大な蒸し器。普段目にすることない設備が並んでいる。「あれは何に使うの?」と、いった素朴な疑問にも丁寧に答えてくれる。

蒸したお米を使い、麹をつくっていきます。写真には映っていませんが、この麹室だけ麹菌の発酵を促進するた、床が高くなっており、他の部屋と比べて室温も高くなっています。
タンクに、酵母や、麹、蒸したお酒、宮水などを入れ、発酵させると醪(もろみ)になります。この状態だと、いわゆる濁酒(どぶろく)。

ここに、圧を加えて圧搾していくことで、私たちの知っている清酒が完成します。圧を低くするほど、雑味の少ない味わいに仕上がります。

「槽搾り」につかわていた酒槽。

福寿では、この他にも、 酒袋に醪を入れて吊るし、垂れてくる清酒のみを使った雫酒なども製造しています。 

現代の酒造りについて聞いてみた

江戸時代から続く灘の酒造り。時代が変わるにつれてどのような変化を遂げたのか、お話しを伺いました。

「昔の酒造り」と「現代の酒造り」の違いって?

昔は、酒造りが始まる時期になると、丹波地方に住む「丹波杜氏(とうじ)」が、 酒を造りに「蔵人(くらびと)」をまとめ、酒造りを行っていました。
普段は農村で働き、作物を作れない真冬の時期に、酒を仕込む、派遣社員のような働き方です。
ですが、福寿では真夏のメンテナンス時期を除き、1年を通じて酒造りを行っています。
時代が変わるにつれて、高い技術力を持つ「杜氏」が少なくなったこともあり、「社員制度」へと変化していきました。古来から続く酒造りの技術を、次の世代に継承しています。

どんな方が働いているんですか?

福寿では、30代から50代、幅広い年代の従業員が酒造りに携わっています。
昔の酒造りでは、寒い中不眠不休で酒の仕込みを見守ることも多かったのですが、現代の技術を取りれることで従業員の労働環境もしっかり守られています。
酒造りの要になる麹の仕込みや、絞りなどは昔ながらの製法で行いますが、仕込みの温度をデバイスで管理したりと、最先端技術も取り入れています。

私の中で、日本酒造りは、寒く厳しく、とにかく大変!! といった、イメージがあったんですが、見学中もスタッフの方が、笑顔で楽しそうに働いているのが印象に残っています。

昔ながらの製法を守りながら、新たな技術を取り入れることで、灘の酒は現代に根付いているんですね。

「福寿」を試飲

さて、蔵見学の後は、お待ちかねの「お買い物」と「試飲タイム」です

ズラリと並ぶ、日本酒達……。
伺ったのは、9月半ば。ひやおろしの季節ですね。

そしてここが、試飲コーナー。気になるお酒は、試飲をしてから購入できるのが嬉しいですよね。隣には、有料の試飲コーナーも併設されています。

 まず、はじめに頂いたのが、コチラ。

福寿の日本酒の中で最も有名なのは、 この「福寿 純米吟醸」ではないでしょうか。
2016年のノーベル賞受賞の祝賀会で提供され、脚光を浴びました。すっきり華やかな味わいは確かにお祝い事の席にぴったり。

実は、1本お土産でいただいて、編集部にお土産でいただいたんですが、普段日本酒を口にしないメンバーからも、
「飲みやすい!日本酒が苦手って人にいいかも」
「味わいはしっかりしているけど、後味がすっきりしているから食事の邪魔をしない」
「米の香りが、鼻からサッと抜ける。はっきり、すっきりしてて美味しい」
と、好評でした。

そして、ここでしか買うことのできない、生酒も試飲させていただけます。
加水や火入れを行っていないので、酒本来の味わいを楽しむことができるんです。

先ほど紹介した、雫酒もいただきました。
絞りの際に圧をかけることがないので、雑味のないピュアな味わいが楽しめます。
個人的にはいただいた中で、この福寿が一番好きでした。舌触りは優しく華やかなんですが、ずっしりとした深みもあって、本当に美味しい。一口、一口の、満足感が違います!
私は、ビールやチューハイをグーッ!と、飲むのも大好きですが、この「雫酒」は、家族や友人と、じっくり味わうのにぴったりです。

福寿の純米吟醸を使った、ソフトクリームもいただきました。
日本酒の華やかな香りと、豊かな風味が、ソフトクリームの滑らかさとマッチして、贅沢な味わいです。
アルコールが含まれているので、未成年の方や、車を運転する方はご遠慮ください。

灘の日本酒の歴史や、文化をしっかり学べて、美味しいお酒やスイーツを堪能できる、神戸酒心館。 ぜひ、訪れてみてくださいね。

神戸酒心館・アクセス情報

神戸酒心館
HP: https://www.shushinkan.co.jp/
住所: 〒658-0044 兵庫県神戸市東灘区御影塚町1丁目8−17
電話: 078-841-1121
営業時間: 10:00~19:00

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